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きもの豆知識№7 「附下げのお話し」

附下げというのは、絵羽付(えばずけ)を簡略にした訪問着に準ずる着物のことです。

従来、訪問着では白生地を裁って仮仕立てし、それに下絵を描いてから縫をほどき

染加工がなされる絵羽付となっています。

したがって、脇縫・衽付け・袖付け・衿付け等の縫目で模様が切れる事なく繋がる様に

いわゆる絵羽文様に染め上げられます。

附下げでは、この絵羽付けの手順を省いて仕立上がりの段階では、絵羽と同じ様な文様付け

となるように文様の位置や方向を考えて、反物のまま染め上げられますので、絵羽に比べれば

手間が省けそれだけ安価となり、しかも絵羽に近い趣きのあるところが附下げの特色です。

きもの豆知識№6 「浴衣(ゆかた)のお話し」

浴衣(ゆかた)は、湯帷子(ゆかたびら)の略で、この湯帷子は本来

湯あみの際に身にまとった衣のことですが、湯あみの後に身を拭い

汗取りに着た衣も同じように呼ばれました。

そうしたところから室町時代の末頃には「身拭」(みぬぐい)とも

呼ばれていました。

湯帷子は主として上級者のものでしたが、室町時代末期頃から一般にも

普及し、江戸時代には広く庶民にも用いられるようになりました。しかし、

庶民の世界では湯上がりの衣として用いられただけでなく、木綿の単衣

(ひとえ)という実用性によって夏の普段着として今日に至っています。

きもの豆知識№5 「紋付のお話し」

近ごろでは家柄だの、家名などということはあまりこだわらなくなりましたが、

戦前はそれゆえに悲恋や悲劇がおこるということもしばしばあり、小説や芝居

の題材ともされました。

日本で紋章と呼ばれる様なものがいつごろ生まれたかということは、はっきりし

ていませんが、今のところ平安時代中葉のころではないかというのが定説です。

公卿では色目や文様によって身分や位階が決まっていました。一方武家では戦闘

の際、敵味方の識別として旗印が用いられましたが、やがてそれが一族や一党を

示す印を附すようになり、家紋の成立になっていきました。

きもの豆知識№4 「帯のお話し」

今でも帯と言えば丸帯が筆頭にあげられますが、昭和52年の西陣における帯の

生産量から言えば、丸帯は帯の総生産量のわずか0.05%程度にすぎず、袋帯が

60%を占めているというのが実情です。つまり現代、帯の主体をなしているのは

袋帯と名古屋帯なのですが、この両者とも大正時代に生まれ、昭和に入って普及

した点で共通しています。

<用語解説>

丸帯・・・横幅1尺6寸+縫代の帯生地を半分に折り縫い合せ横幅八寸の帯にしたもの。

よって全通の袋帯の表裏に柄のある形となる帯。

袋帯・・・横幅8寸+縫代の帯生地を柄のある生地と無地の裏地を縫い合わせた二重太鼓

で締める帯。筒状に織った本袋帯というものもある。表全体に柄のある全通と胴にまく

ところに柄が無い六通がある。

名古屋帯・・・一重太鼓で締める帯。

きもの豆知識№3 振袖のお話し

元来は留袖(とめそで)付詰袖(つけつめそで)に対して、振りのある袖のことを

振袖といったのですが、後に袖丈の長い着物を指す様になり、今日に及んでいます。

振りのある小袖は幼児や少年・少女には古くから用いられていて、室町時代にはそれを

脇明け(わきあけ)の小袖と呼んでいました。

江戸時代初期の振袖は大振袖といっても1尺5寸の袖丈が通例で、六尺袖とも呼ばれて

いました。六尺というのは1尺5寸折返しの片袖3尺、両袖で6尺の用布に由来して

いると言われています。