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きもの豆知識№13 「琳派のお話し」

着物にはよく琳派の図柄が使われます。琳派とは、尾形光琳の一文字をとって

名付けられた装飾画派の一つで、現代のアートやデザインにも多く取り入れられて

います。日本絵画の本流、日本の完成された美の一つの頂点といっても過言ではない

でしょう。琳派が誕生したのが、今からおよそ400年前の江戸時代中期、政治の

中心が江戸に移りこうした動きに対抗するように後水尾天皇を中心とする宮廷人と

上層町衆が一つとなって、平安の王朝文化を再興しようと次々に新しい近世の芸術

を創生していきました。琳派の特徴は、背景に金銀箔を用いたり、大胆な構図や

型紙のパターンを用いた繰り返し、たらしこみ技法などに特徴がみられ、日本人の

美意識を大胆かつ斬新に表現し、華麗な色彩と洒脱、軽快な構成で現代においても

人々を魅了し続けています。

きもの豆知識№12 「着物の四季のお話し」

着物の四季は、ご存じのとおり10月から翌年5月までは袷の着物、

6月と9月は単衣の着物、7月8月は夏の着物が基本ですが、

中に着る長襦袢は少しづつずらして着物に合わせるという事を

ご存じない方もおられる様です。つまり、11月から翌年4月までは袷の長襦袢

、5月と10月は単衣の長襦袢、6月から9月は夏の長襦袢が基本となります。

ですので、11月から翌年4月までは袷の着物に袷の長襦袢、5月10月は

袷の着物に単衣の長襦袢、6月9月は単衣の着物に夏の長襦袢、

7月8月は夏の着物に夏の長襦袢となります。むろん、地域や気候によっても

若干異なる場合もあります。また季節先取りといってちょっと早くに

次の季節のものを取り入れ事もあるようです。

きもの豆知識№11 「足袋(たび)のお話し」

今日では足袋は防寒という実用目的だけでなく、儀礼的意味も多分に

もっています。礼装に際して、誰しも足袋を履く習慣となっているは、

その表れです。この儀容と実用という相反する足袋の性格は、足袋が

二つの系統から発達してきたことを物語っています。

第一の系統は、奈良時代に制定された礼服(らいふく)や朝服(ちょうふく)

一具の中に含まれてきた襪(しとうず)です。襪(しとうず)は指先の分かれて

いない靴下式で、礼服には錦(にしき)、朝服には白絹(しろぎぬ)が生地と

されていました。この朝服の襪はその後束帯に受け継がれ、白絹の襪は

儀客を整えるための必需品であり、貴人の用いるものとされてきたのです。

これに対して第二の系統は、専ら足の保護や保温を目的として革製の単皮

(たひ)から出発したもので、室内より室外で履くものとして武家や庶民の

間で用いられました。

きもの豆知識№10 「襦袢(じゅばん)のお話し」

襦袢というのはポルトガル語から転訛した言葉です。

鎌倉時代には丈の短い袖なしの一種の胴着のようなものでした。当時肌着とされていたのは

丈の短い半襦袢であったようです。もっともこの半襦袢はその後長く用いられており、

今日とは逆に長襦袢より一般的なものであったようです。

半襦袢と裾除けが一緒になったものが長襦袢だといわれています。

<用語解説>

裾除け・・・長襦袢の下に着る巻きスカートのようなもの

半襦袢・・・上半身のみの襦袢

きもの豆知識№9 「小紋のお話し」

小紋というのは本来大紋に対応する言葉で、小さな文様を意味する一般的名称でした。

ところがいつかそれは極めて細かい文様を彫った型紙を用いて布面に片面糊置し、

地染めしてしあげるという特定の染物を指すようになりました。

今日のようにいろいろな柄や色調が生まれたのは明治になって合成染料が使われるように

なってからのことです。