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きもの豆知識№8 「半衿のお話し」

江戸時代には一般庶民は綿入や袷の表着に黒襦子やビロードの掛衿をするのが

普通でした。今日半衿というと、主に長襦袢に付ける掛衿のことを指していますが、

江戸時代は長着であれ、襦袢であれ、本衿の上に掛ける掛衿はすべて半衿と言った

のです。それは、掛衿の長さが本衿の半分程度であったともいい、また半幅の裂を

掛衿として用いたためと言われています。

掛衿という風習がいつ頃から、どうして始まったかは明らかではありませんが、専ら

庶民が本衿の汚れを保護する実用目的によったものと思われます。